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スマート酪農とは?ITや自動化で変わるこれからの酪農

スマート酪農とは?ITや自動化で変わるこれからの酪農
もくじ

酪農の現場では今、「スマート酪農」という新しい取り組みが注目されています。スマート酪農とは、IT技術などを活用し、労働負担の軽減や、牛の健康管理の向上を目指す酪農のことです。日本の酪農では人手不足などが大きな課題となっており、近年では、省人化や効率化を目的に、作業の自動化やデジタル化が広がっています。カネカグループが運営する牧場の別海ウェルネスファームでも、こうしたスマート酪農への取り組みが進められています。この記事では、

  • スマート酪農とは 
  •  スマート酪農の具体例 
  •  別海ウェルネスファームの取り組み  

について、わかりやすくご紹介します。

スマート酪農とは

スマート酪農とは、ロボット技術やICT(情報通信技術)などを取り入れた新しい酪農の形です。酪農を行う酪農家の仕事には、搾乳・給餌・牛舎の清掃・牛の健康管理・繁殖管理など、毎日行う作業がたくさんあります。牛は生き物であるため、季節や天候、時間に関係なく、日々のきめ細かな管理が欠かせません。

スマート酪農では、こうした作業の一部を機械やシステムが担うことで、酪農家は作業時間を短縮しながら、牛一頭一頭の状態をより正確に把握できるようになります。


■ スマート酪農が注目される理由

背景には、酪農業界が抱える課題があります。特に大きいのは、人手不足と労働負担です。酪農家は、一般的に朝と夕方の1日2回、搾乳を行います。これは乳頭の消毒や搾乳機の装着などを一頭ずつ行うため、酪農家にとって非常に負担の大きい作業です。

また、牛の健康管理も非常に重要です。おいしい牛乳を安定して生産するためには、体調の変化にいち早く気づく必要があります。こうした課題に対し、スマート酪農では以下の効果が期待されています。

  • 作業負担の軽減
  • 労働時間の短縮
  • 牛の健康管理の向上
  • データの可視化
  • 経営の効率化 など

つまり、スマート酪農は「人にとって働きやすく、牛にとっても過ごしやすい牧場づくり」を目指す取り組みとも言えます。


■ 日本のスマート酪農

北海道は日本有数の酪農地域で、広い牧草地を活かした大規模酪農が行われており、自動化技術と相性が良い地域です。最近の調査によれば、スマート酪農の導入も進んでおり、導入率は約43.8%に達しています。人手不足や作業負担の課題が続く中、今後もスマート化・自動化の流れはさらに広がっていくと考えられます。

スマート酪農の具体例

スマート酪農にはさまざまな技術がありますが、代表的なものが「自動搾乳機」です。

■ 自動搾乳機とは

自動搾乳機は、搾乳をロボットが自動で行う設備です。従来は、人が一頭ずつ牛の乳頭を消毒してミルカーと呼ばれる搾乳機を取りつけていましたが、自動搾乳機を導入することで以下の工程を機械が担うようになります。

  1.  牛の個体識別 
  2. 乳頭の洗浄 
  3. 乳頭の位置の検知 
  4. 搾乳機の装着 
  5.  搾乳
  6. データの記録(搾乳量や健康状態など)

また、搾乳と同時に牛の健康状態のチェックを行うものもあります。

■ 自動給餌・牛舎管理

餌やりや牛舎環境の管理にも自動化が進んでいます。自動給餌システムにより、適切な量の餌を安定して与えられるようになり、さらに、温度や湿度、CO2、照度などの飼育環境データを遠隔モニタリングすることで、牛が快適に過ごせる環境づくりにもつながります。こうした技術は、作業の効率化だけでなく、牛の健康維持にも重要な役割を果たします。

別海ウェルネスファームの取組み

北海道・別海町にある別海ウェルネスファームは、カネカグループが運営する牧場です。有機循環型酪農に取り組みながら、「人にやさしい・牛にやさしい・環境にやさしい」牧場づくりを目指し、スマート酪農の考え方を取り入れています。この牧場では自動搾乳機を導入しており、牛は自分のタイミングで機械に向かい、搾乳をすべて自動で行うことで作業負担を大きく軽減しています。また、自動搾乳機を活用して牛の健康状態のチェックも可能となっており、その結果として、酪農家は牛一頭一頭に向き合う時間を確保しやすくなっています。

また、別海ウェルネスファームでは、「人にやさしい・牛にやさしい・環境にやさしい」牧場づくりを目指して、以下の取り組みも行っています。

  • フリーアクセス牛舎による牛のストレス軽減
  • 太陽光発電による再生可能エネルギーの活用
  • 有機循環型酪農の実践

※別海ウェルネスファームの取り組みの一例です。設備等により飼育方法が一部異なる場合があります。

スマート酪農というと、機械化や効率化のイメージが強いかもしれません。しかしここでの取り組みは、単なる効率化ではありません。牛がのびのびと過ごし、酪農家が牛に丁寧に向き合い、環境にも配慮するためのスマート酪農です。

まとめ

スマート酪農とは、IT技術や自動化設備により、作業の効率化や牛の健康管理を行う新しい酪農の形です。特に自動搾乳機は、作業負担の軽減とデータ活用を可能にする、スマート酪農を代表する設備です。カネカグループ運営牧場の別海ウェルネスファームでは、こうした技術を活用しながら、「人にやさしい・牛にやさしい・環境にやさしい」酪農に取り組んでいます。

出典:

農畜産機構「スマート畜産の現状と展開

農林水産省「スマート農業技術カタログ(畜産)

日本政策金融公庫「スマート農業

神奈川県 「スマート酪農への期待